※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2025年10月号からの転載です。
都市伝説系YouTuberとして人気を博し、2021年には初の著書『退屈な日常を破壊する都市伝説』を上梓した灯野リュウさん。それから4年。待望の2作目として灯野さんが完成させたのは、まさかの長編小説だった。
「都市伝説についてまとめた1作目は、どこかエッセイっぽさもある内容だったんです。だから書きやすかった。その後、2作目のオファーをいただいたときに、今度は小説にしようと思いました。ちょうど30歳になるタイミングだったので、若い感覚があるうちに、世の中の見え方を残しておきたかったんです。同時に、それまで小説を読む習慣がほとんどなかったから、相当難しいことはわかっていたものの、自分の限界値を超える体験ができるのではないか、と。いざ、企画がスタートしてから必死に小説を読んで勉強して、なんとか書き上げられました」