不妊治療の一部保険適用など、少しずつ不妊治療がしやすい環境が整ってきている。しかし治療には経済的・肉体的・精神的に大きな負担が伴うことが多い。
治療が長期化すると、このまま続けるか、それとも区切りをつけるか、選択に迷う夫婦は少なくないと聞く。そんなとき、不妊治療を続けた夫婦の実話『不妊治療、やめました。〜ふたり暮らしを決めた日〜』(堀田あきお&かよ/ぶんか社)は、ひとつの指針となるかもしれない。
本作は、著者夫婦の10年に及ぶ不妊治療の記録が描かれたコミックエッセイだ。妻の子宮内膜症手術により、目前に迫っていた結婚式をキャンセルすることになったふたり。妊娠によって子宮内膜症の症状が改善した、という症例を知り、子作りを決意する。しかし思うようには進まない。
人工授精や流産という試練を乗り越えてきたが、最終的に選んだのはふたりで生きていく道だった。