コミックエッセイ『うちらはマブダチ』(やまもとりえ/KADOKAWA)は、著者が学生時代を共に過ごした友人たちとの変わらぬ友情を描いた作品。笑って泣けて、胸がじんわり温かくなる1冊である。
著者のやまもとりえさんは、美大進学のためひとりで鹿児島から関西へやってきた。当時は人見知りで友達もいなかったが、卓球部メンバーとの出会いをきっかけに大切な仲間を得ることになる。
お金はなくても、くだらないことで笑い合った学生生活。社会に出てからの厳しさや日常の困難も、その仲間たちがいるからこそ乗り越えられる。本作には、そんな友情の偉大な力がたっぷりと詰め込まれている。
登場する卓球部の仲間は、みんな強烈な個性を持っている。クールビューティー、ツンデレ、年中半袖、中身はおっさん……誰もが印象的だ。お互いを「ヘデル・ハデル」とオシャレなあだ名で呼び合っていたふたりのあだ名の由来が、実は「屁出る」「歯出る」だったと知る、なんて思わずズッコケてしまいそうなエピソードも。