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ねこが しんぱい 角田光代:作、小池壮太:絵/KADOKAWA


愛猫家でも知られる直木賞作家の角田光代さんが、初めて文を書き下ろした猫の絵本『ねこが しんぱい』(角田光代:作、小池壮太:絵/KADOKAWA)。洋画家の小池壮太さんが、油絵で写実的に描いた「ねこのたまこ」は、角田さんの15年来の愛猫トトちゃんがモデル。筋肉の感じだけでなく、アメリカン・ショートヘアの縞模様まで見事にそっくりなので、「絵描きさんはすごいな」と角田さんも驚いたという。



そして、ワクワクしながらページをめくると、そこには、ちょっぴりシュールでユーモラスな猫の世界が、痛快に豊かに広がっていくのである。


だいすきってことは、しんぱいごとがふえるってこと?


表紙カバーの袖にある文章のとおり、このお話のもとになったのは、角田さん自身がトトちゃんとの暮らしで感じてきた〈しんぱいごと〉。自分が留守の間、ねこがこんなことをしているんじゃないか、あんなことをしているんじゃないかと、ネガティブなほうに想像力がたくましくなっていく……。愛猫家なら、思わず共感してしまう〈しんぱいごと〉。それが、角田さんの想像力によって、さらにパワーアップ。


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