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『占い師には花騎士の恋心が見えています』(Mikura:原作、裕上ハツ:漫画/キルタイムコミュニケーション)は、お人好しな薬屋と、プレイボーイなのに実は女嫌いな騎士が織り成すピュアなラブストーリーだ。


薬屋を営むシルルは、他人の頭上に現れる不思議な線から、その人の感情やおおよその未来を読み取ることができる。彼女の助言や忠告はよく当たると評判になり、いつしか街では「占い師」と呼ばれるようになっていた。ある日、シルルは花の騎士・エクトルに訪れる危険を察知して助けたことで、彼に興味を持たれてしまう。


怪我の後遺症の痛みを隠し、本音と逆のことを言いながら距離を詰めようとするエクトルと、魔法使いの血を引いていることを隠して生きているシルル。それぞれにワケアリなふたりは、少しずつ心の間合いを縮めていく。初恋の瑞々しさが丁寧な心情描写で真正面から描かれており、ふたりのじれったい掛け合いや小さな思いの変化の積み重ねが、読者の胸に温かく残る。


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