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どれだけ交流を重ねた相手とも、100%は分かり合えないのが人間のさがである。そんな、同族同士でも難しい意思疎通を、異種族同士で行おうとしたら一体どうなるのか。


『ニンゲンの飼い方』(ぴえ太/KADOKAWA)は、異世界に迷い込んだ青年を、巨大な魔人・トゥイミナが保護することから始まる日常漫画だ。


飼い主・トゥイミナとペットになる青年は、物の見え方・感じ方がまったく異なる。そもそも体格差があるふたりだ。トゥイミナが優しさから手を差し伸べても、青年にとっては恐怖でしかない。トゥイミナからしても、言語が通じず、この世界の食べ物も口にしない弱々しい「ニンゲン」にどう接していいのか測りかねてしまう。


唯一、神の視点でキャラクターの気持ちを把握できている存在が読者だ。ページをめくりながら、ふたりのすれ違いに気をもむことになるだろう。その分、青年がトゥイミナの優しさに気付き、恐怖心が少しずつやわらいでいく様子をより一層楽しめるはずだ。


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