ダ・ヴィンチWeb - ワラウ

1970年代、司馬遼太郎にハマるビジネスマンが続出したのはなぜ?/なぜ働いていると本が読めなくなるのか⑤

2024年4月25日

  • 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆/集英社)第5回【全8回】

    「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」…そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないでしょうか。「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者の三宅香帆さんが、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿ります。そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』は、すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作品です。


    なぜ働いていると本が読めなくなるのか
    『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(三宅香帆/集英社)

    なぜみんな『坂の上の雲』を買ったのだろう?


    「まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている」


     ──その文章が掲載されたのは、昭和43年、1968年4月22日の「産経新聞」夕刊だった。

    続きを読む