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※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。


『夫のメンヘラ不倫相手がとんでもない爆弾でした』(ママ探偵:原案、善哉あん:漫画/KADOKAWA)は、不倫というテーマを扱いながらも、単なる愛憎劇にとどまらず「心の支配」という現代的な問題を鋭く描き出す作品だ。


結婚して数年、出張帰りの夫の荷物からコンドームを見つけた妻・サナエ。そこから彼女の穏やかな日常は音を立てて崩れ落ちていく。だが本作の焦点は、怒りや悲しみといった一時的な感情ではなく、不倫発覚の後に起きる精神的支配にある。


夫は徐々にモラハラ的な言動を見せ始め、サナエは次第に「拒んだら壊れてしまう」「自分が我慢すれば」と思い込み、夫の不倫を受け入れてしまうようになる。被害者が加害者に支配される構図。それは決してフィクションの中だけの話ではない。言葉や態度によって心を追い詰める見えない暴力は、現実でも多くの人を苦しめている。


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