
夫婦の間には、日々の小さなイライラやすれ違いがつきものだ。『離婚メーター “自称”愛妻家な夫がヤバすぎる』(はたほまめ:漫画、はるのコタン:原作/KADOKAWA)は、そんな夫婦のリアルを「離婚メーター」というユニークな形で描く。共働き家庭の現実や、妻の抱く葛藤が綴られた作品だ。
主人公の真理子は、夫・孝一と共働きで生活し、仕事と家事の両立に奮闘しながら、いつかフリーランスの翻訳者として独立する夢を持っている。小さいころから憧れてきた英語を生かす仕事は彼女の生きがいであり希望そのもの。だが、孝一はそんな努力を理解してくれないばかりか家事の分担もせずに文句ばかりの夫に、真理子のイライラは少しずつ募っていく。
本作の特徴は、タイトルにもある「離婚メーター」だ。孝一の無神経な言葉を聞いたり、家事に非協力的な態度を見たりするたびにメーターが上がっていく。真理子の心の中に積み重なる不満や怒りをビジュアル化することで、私たちも彼女の感情を体験しているかのような感覚になる。仕事で疲れて帰った夜、食器を片付けずにテレビを見ている夫。小馬鹿にしたような夫の一言。そんなことの積み重ねが「もう無理かも」という気持ちへとつながっていく様子が痛いほど伝わってくる。