
多様性が謳われるようになり、以前に比べたら「自分らしく」生きやすくなったのかもしれない現代社会。とはいえやっぱり、若い女性向けブランドの服をこの歳で着るのは恥ずかしいかなと躊躇したり、やりたいことを仕事にしたいのに「こんな歳で夢物語みたいなこと言ってるの痛いかな」と感じてしまったり、気が付くと世間の目を気にしてがんじがらめになってしまっている自分がいたりする。根付いた価値観って、そう簡単には変わらないものだ。
もし同じように悩んで生きづらいと感じている人がいたら、ぜひおすすめしたいのが漫画『各位、私のことはお構いなく』(文京子:作画、egumi:原作/DPNブックス)だ。
37歳にふりかかるノンデリ&ルッキズム
物語は、とある企業の総務部の一角から始まる。そこで働く37歳の智子は、素朴な容姿で、少しぽっちゃりとした体型。そんな彼女と20代の新入社員のスタイルを比べて、上司は馬鹿にして大笑いする。彼女を引き合いに出した同い年の同期も悪いとは思っていない様子。悲しいけれど、こんな場面はこの世にいくらでもあるんだろうなと感じてしまうリアルさだ。