
「パンがないならお菓子を食べればいい」。この有名な言葉と共に知られるマリー・アントワネット。そんな彼女がもし現代日本に転生したら? そのユニークな発想をマンガにしたのが『オフィス勤めのマリー・アントワネット』(いのこざ/KADOKAWA)だ。ページをめくるたび、人間味あふれる王妃の姿に引き込まれるはずだ。
1793年10月16日、革命のただ中で断頭台に散ったマリー・アントワネット。だが、死後の世界と思しき不思議な空間で「神」と名乗る女性と出会い、転生することになる。目を覚ました先は令和の日本。しかも会社員としての新しい人生だった。ヴェルサイユで培った気高さと処世術を武器に、マリーのオフィス生活が始まる。
最初は文化も常識も違う環境に戸惑うばかり。だが、同僚の山田花子との出会いが大きな転機となる。マリーが打ち明けた、かつて王妃として味わった苦悩を、山田は「ブラック企業から転職してきた話」と勘違いし、彼女を支えようと寄り添う。こうしたすれ違いが笑いを生みつつも、マリーの心を動かしていく。