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【怖い場面あり、苦手な人は閲覧注意!】


日常で時折ふと感じる違和感。「あの家のおばあさん、いつも外を見ているのはなぜだろう」「子どもの想像力は豊かだけれど、もしかすると見えているものはこの世のものではないのか」。そんな疑念は、考えれば考えるほど頭から離れなくなるものだ。


そんな日常のぼんやりとした不安を描いたホラー漫画が『不安の種*』(中山昌亮/秋田書店)。どの話も数ページで完結する短編オムニバス形式で構成されているのが特徴だ。舞台になるのは、心霊スポットや廃墟のような特別な場所ではなく、私たちが普段暮らしている家の中や通勤通学の帰り道など、日常に馴染んだ場所ばかり。どこにでもある風景だからこそ、その中で起こる違和感が強く心に残る。さらに各話の最後には「2024.札幌市」といった西暦と地名が添えられるのが、妙なリアリティを与えてくる。どこかで本当にあった出来事なのかもしれない。次は自分の身に降りかかるかもしれない——そんな恐怖がじんわりと残り続ける。


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