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我が子が幸せに生きてほしい。親ならば誰もが願うことだ。だが『お受験地獄に堕ちた女』(かげやまあづさ:原案、夏木美香:漫画/KADOKAWA)は、子どもの幸せを願うあまり、普通の主婦がお受験の泥沼へと引きずり込まれていく姿を描いた物語だ。


主人公の森田奈央は、夫・陽介と一人息子とともに平穏な日々を過ごしていた。だが奈央にはどうしても消えない悩みがあった。陽介の家系はキャリア官僚や国際弁護士など高学歴のエリートばかり。そのため高卒の奈央と息子は、姑や小姑から格下扱いを受ける毎日に苦しんでいた。引け目を感じていた奈央は「せめて息子だけは、この家で誇れる存在にしたい」と強く願い、幼稚園受験を決意する。


奈央は友人の紹介で“お受験の達人”と呼ばれる上条詩織に出会う。美しく聡明な詩織は教育や成功を華やかに語り、奈央を惹きつけていく。最初は半信半疑だったものの、体験教室で詩織の巧みな言葉に心を奪われ、次第に夫や友人の忠告が耳に入らなくなり、奈央はお受験の泥沼に堕ちていく。


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