
『果てしなきスカーレット』の主人公・スカーレットは19歳ながら過酷な運命を背負い、それでも未来へ向かって進んでいく姿が印象的だ。当企画では、現代を生きる19歳の方々にアンケートを行った。細田監督へのメッセージと共に、スカーレットと同じ19歳が抱く「未来」に対する希望や不安にかかわる質問を募り、細田監督に回答頂いた。
限界バイオレットさん(女性)
メッセージ
細田監督の作品の世界に小さい頃からワクワクしていました。見終わったあとに自分がOZ(『サマーウォーズ』)の世界に行けたらどんなアバター作るかなとか沢山考えてました。とても楽しい時間でした。細田監督の作品が本当に大好きです。
質問
美大浪人生をやっているのですが、大学に行けたとしてその先何のために作品を作るのか、何を描きたいのか、そもそも私は美術で生きてゆけるのか、先が見えなくて不安です。作品制作の原動力についてお伺いしたいです。
細田監督
回答
美大の良いところって、正解がない環境の中で勝負をする、という“アドバンテージ”を得られるところではないでしょうか。作家さんなどとも似ていますね。美術を勉強しているということは、なにか客観的な数字でその人の価値や能力が測られることに重きを置いていない、ということです。だって美というものは絶対に点数では測れないものだから。もっと自分にとっての真実を見極めていくことに興味を持つ人が美術を目指すのだ、と思います。例えば、たった一人でもいい、誰かの琴線に触れることがあったらよい、という気持ちを信じてみんな作品を作っている。そんな世界に限界バイオレットさんも来て欲しいので、ぜひ頑張って美大に受かって欲しいですね。