
『娘が23歳年上の彼氏を連れてきました』(蟹乃まよ/KADOKAWA)は、タイトルの通り、高校生の娘が連れてきた交際相手が親と同世代という、親としては相当複雑な気持ちになる出来事を描いたコミックエッセイだ。恋や愛はどこまでが純粋で、どこからが罪なのかと鋭い問いを突きつけてくる。
主人公はシングルマザーの優子。彼女の一人娘・美月は、中学時代にストーカー被害を受けて以来、男性不信に苦しんできた。そんな美月が「好きな人ができた」と打ち明けたとき、優子はようやく娘が笑顔を取り戻せたことに安堵する。だが、その相手が23歳年上の男性だと知った瞬間、胸の奥に冷たいものが走る。しかもその男は、かつて美月が通っていた塾の講師で、高校生の教え子に手を出した可能性があるのだ。