
猫とモンスターが融合した、不思議で可愛い生き物たちと人々の日常を描いた『ねこもんすたー』(ぱんだにあ/竹書房)。本作は、同作者による「ねこようかい」シリーズと同様の世界観を持ちつつ、単体でも楽しめる作品だ。
「モンスター」という言葉から恐ろしい姿を想像しそうだが、本作に登場するねこもんすたーたちは、猫に似た柔らかなフォルムとあどけない表情を持つ愛らしい存在だ。読めば思わず頬がゆるむような可愛らしさで、作中の飼い主たちと私たち読者を癒してくれる。
時々、わがままや意地悪で人の髪の毛を引っ張る「ふぇありー」や、人の行動を邪魔してニヤリとほくそ笑む「あくま」など、飼い主をちょっぴり困らせるねこもんすたーたちのエピソードもある。しかし、その行動の根底に“かまってほしい”という健気な気持ちが見え隠れし、猫らしさが感じられるのも魅力のひとつだ。