
『明日、息子は空に還る 小児白血病と闘った家族の10年』(わさび/KADOKAWA)は、小児白血病と闘った息子と、最期まで彼を支え続けた家族の物語。
12歳のカズマは、ある日突然「急性骨髄性白血病」と宣告された。その瞬間、家族の穏やかな日常は音を立てて崩れ去る。病気を理解しようと必死になって情報を集め、希望を探そうとする両親。そしてまだ幼い妹は何が起きているのか分からず、入院の付き添いで忙しい母に会えない寂しさを募らせるばかり。
入院したカズマは抗がん剤治療に臨むが、思うような効果は得られなかった。次の手段は骨髄移植だったが、家族の誰とも適合せず、ドナーを待つしかない状況となる。見えない未来に怯えながらも、家族はもう一度笑える日を信じて、長く苦しい闘病の日々と向き合い続ける。