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『ブリちゃん日記 猫なら産みたい』(私屋カヲル/竹書房)は、野良猫と人間のあいだに生まれる小さな奇跡を、ユーモラスかつ温かく描いたセミエッセイ漫画だ。著者は『少年三白眼』『ちびとぼく』『こどものじかん』などで知られる漫画家・私屋カヲル。本作では、自身の生活と猫との関わりを題材に、リアルとフィクションを織り交ぜつつ、人と動物の共生を静かに見つめている。


物語の舞台は築50年の木造一軒家。漫画家として2階の作業部屋で暮らすワタシヤ先生のもとに、ある日、ベランダへふらりと1匹の野良猫が現れる。最初は互いに距離を取りながらの“観察期間”だったが、エサをあげるうちに少しずつ心を開き、やがてベランダがその猫“ブリちゃん”の居場所となっていく。夫と別居し、仕事一筋の日々を送っていた先生が、ブリのために寝床を作り、エサの時間に合わせて生活を整えるようになっていく。その変化が、互いの世界をやわらかく変えていく。


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