
モラハラされているのに、自分を責めてしまう場合がある。そんな日々が積み重なるうちに、少しずつ自己肯定感が削られていく。『娘の水泳教室で不倫してた夫を捨てるまで』(サレ妻マユコ/KADOKAWA)は、そんな痛ましい現実を描いたサレ妻の再生ストーリーだ。
主人公のマユコは、誰もが羨むほど優しくて素敵な彼・信介と結婚した。幸せな結婚生活を思い描いていたが、妊娠をきっかけに彼の態度は一変する。献立が気に入らないと無視を続け、少しでも反論すれば舌打ちをしたり罵倒したりする。外では人当たりが良いのに、家の中では支配的な態度に豹変するのだ。
さらに義母からも嫌味を言われて孤立した育児に。だがマユコは心をすり減らしながらも、夫の理不尽さに耐え、機嫌を窺う日々を送っていた。そんな中、娘の通う水泳教室で夫が不倫していたことが発覚。子どもの成長を見守る場所で裏切りを犯したという夫の行動に、マユコの悲しみと怒りは想像するに余りあるだろう。