
質や量など個人レベルでは難しい仕事をして、その利益を社員に分配することが会社という組織の大きな役割のひとつだ。そんな会社活動を円滑に行うには、まとめ役となる「偉い人」が不可欠なのだが、その権力の使い方次第で、組織の健全さや社会的価値が大きく揺らぐことになる。『え、神絵師を追い出すんですか?』(宮城こはく:原作、乙津きみ子:漫画/KADOKAWA)は、自分の地位と利益のために権力を振りかざす偉い人々と、それに対抗する一般社員たちとの闘いを描いた物語である。
主人公・夜住彩は「神絵師」と呼ばれる売れっ子イラストレーターだが、とある理由からその正体を隠してデザイナーとして大手ゲーム制作会社に就職する。深夜残業、会社に泊まりは当たり前の現場を類稀な夜住の才能がなんとか支えていたが、ある日、部長の碇に仕事が遅い残業ばかりの迷惑社員と言われ、社内のはみ出し者が集められた部署に異動させられてしまう。現場の実情と夜住の才能を知っている同期の社員・真宵学は、この人事に異を唱えるも、入社2年目の若造ということで相手にされなかった。