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「結婚は本人たちがするもの」とよくいわれるが、その実、必ず双方の家族や親族との関わりが付いて回る。「想像していた結婚生活とまるで違った」というのはよくある話で、だから義実家問題などをテーマにした作品に多くの共感が集まるのだろう。だが『私、都合のいい女でいいです。』(霰屋こん/KADOKAWA)は、それらとは少し異なる複雑な家庭事情を持った男性との恋愛を描いたハートフルストーリーだ。


お嫁さんになって幸せな家庭を築くことを夢見る宮尾はなは、完璧に家事ができ、家でも会社でも細かい気配りができる女性。夢を叶えるなら申し分のない性格なのだが、こと恋愛ではそれが災いし、男性と付き合うたびに「都合のいい女」となり、いつも飽きられ捨てられていた。そんなある日、会社の飲み会で泥酔したはなは、尊敬するイケメン上司・阿佐美遙介にお持ち帰りされる……というか、はなが無理やり彼の家に押しかける。両親が他界し、唯一の社会人である遙介が4人の弟妹を養っていることを知り、世話好きの性格が酔って勢いづいてしまったからだ。


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