
『忠犬部下とツンデレ少尉』(ハッピ〜ワニワニ/KADOKAWA)は、死と隣り合わせの過酷な状況下で関係を育む男性ふたりの絆を描いたラブストーリーだ。
ある大きな戦争が終結するも、いまだ混沌とした時代。主人公・クロは、独自の地位を持つ治安維持組織「ハルテン」の隊員のひとりだ。彼は任務中のとある出来事をきっかけに、強くて無愛想な上官・エギル少尉と体の関係を持ち始める。しだいに惹かれ合っていくふたりだったが、少尉にはクロを愛してはいけない秘密の理由があった——。
命がけの日々の中で、何度抱き合っても心は交わらない。それでもクロは、少尉の孤独な背中を見つめ続ける。いち隊員の努力では覆せないさまざまな困難、そして少尉の抱えたある奥深い事情に悩み苦しむ毎日。クロは少尉の複雑な事情を理解しながらも、決して距離を置こうとはせず、ただそばにいることを選んだ。彼の不器用な優しさが、すれ違い続けていたふたりの思いを静かに繋ぎ合わせていく。