いよいよ12月を目前にして、世の中がじわじわと年末の気配を帯びてきた。昨今の物価高もあり、家で休みの期間を過ごす人も多いのではないだろうか。そこで、2026年冬のKADOAKWAアニメ化作品の原作の中から、年末におすすめの巻数がっつりなおすすめの3タイトルを紹介する。
人間嫌いの主人公が、「人外」が“ニンゲン”になるための学校に赴任⁉『人外教室の人間嫌い教師』

まず紹介するのは『人外教室の人間嫌い教師 ヒトマ先生、私たちに人間を教えてくれますか……?』(来栖夏芽:原作(MF文庫J)、泉彩:キャラクター原案、紅野あつ:コミカライズ/角川コミックス・エース)。
「人は自分勝手」「善意は悪意に利用され 正直者が馬鹿を見る」…。学校教師をしていた人間零(ひとまれい)は、“ある事件”をきっかけに教師をやめ、実家にひきこもっていた。母にどやされてしぶしぶ再就職した先は、なんと「人ならざる“人外”がニンゲンになるための学校」だった。驚きながらもクラス担任となった零は、最初の挨拶で人に嫌気がさしていたせいで、「なんでニンゲンになりたいんだ?」と生徒たちに聞いてしまう。そこで生徒から返ってきた言葉は…。
何やら過去にトラウマがありそうな零が、「ニンゲンになるってそんなにいいことじゃないのに」という気持ちを持ちつつも、鳥(百舌鳥)・うさぎ・人魚・オオカミという多彩な種族で個性も豊かな少女たちの先生として、彼女たちが憧れる「ニンゲン」について知ることで、彼女たちを通じて「人間」を学んでいく。生徒たちは種族が違うため価値観の違いや、個々の事情や特性があり、ニンゲンになるという目標のため問題に向き合っていく。生徒たちの快活な明るさや悩みながらもがんばる姿は、零だけでなく読んでいるこちらも元気づけられる。コミックスは4巻で完結、文庫は現在4巻まで発売中だ。