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計算問題を見ると身がまえてしまう――。数字への苦手意識を抱く人たちは、少なくないはずだ。しかし、学生や社会人にとって、数字と向き合う場面から避けては通れないのも事実である。


漫画『ドラゴン桜』の脚本監修や編集を担当し、自身も偏差値35からの東大合格を勝ち取った西岡壱誠さん、西岡さんらによる東大生集団「東大カルペ・ディエム」による書籍『数字に強くなる30のトレーニング』(TAC出版)は、算数や数学の思考法を基礎から分かりやすく学べる一冊。


著者である西岡さんに制作のきっかけや、算数や数学を学ぶ意義。そして、受験を控える受験生へのメッセージなどを聞いた。


■コンビニで聞いた「7の倍数になる」の一言が制作のきっかけに


――新著『数字に強くなる30のトレーニング』は、算数や数学の思考を日常へ落とし込むための本という印象を受けました。そもそもこの一冊は、どのようなきっかけで作られたのでしょうか?


西岡壱誠(以下、西岡):きっかけはささいな話で、僕も通う東大の学生がコンビニのレシートを見ながらクスクスと笑っていたんですよ。何かなと思ったら金額が「7の倍数になる」と言っていて、理屈を聞いたら「なるほど」と思いました。


それが、本書で書いた「133は7の倍数ですか?」の問題に繋がっていて、要するに「133に7を足すと140。140は7×2×10で7の倍数だから、7を引いた133も7の倍数」という理屈なんです。僕が見た学生はコンビニで提示される金額が「(消費税をかけると)1.1倍になるから、11の倍数にならないとおかしい」とも言っていて、そうした感覚は、勉強以外にも応用できそうと思ったのが制作の原点になりました。


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