
※この記事はセンシティブな内容を含みます。ご了承の上、お読みください。
『人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話』(かどなしまる/KADOKAWA)は、著者自身のアルコール依存症体験と、それを克服しようとする苦闘の日々が描かれた、手に汗握るコミックエッセイだ。
新卒で入った会社の人間関係に疲れ切っていた主人公・かどなしまるは、ストレスが絶頂に達したある朝「一杯だけ」と口にしたカルーアミルクをきっかけに、酒なしでは心がもたない状態になってしまう。気づけば出勤前の飲酒が日常となり、ダメだとわかっていてもやめられない自分に怯えながら、生活は静かに崩れていく。「このままでは人生が終わる」と気づき、ようやくアルコール依存症と向き合い始めるが……。
アルコール依存症は大量飲酒を想像しがちだが、実は「量」ではなく「精神的な依存」から始まることに驚かされる。缶チューハイ3本が限界で、むしろ酒に弱いはずの著者が自覚なくスルッと酒にハマっていく姿が恐ろしい。読み進めるほどに、自分の飲み方やアルコールとの付き合い方を見直したくなるはずだ。