ダ・ヴィンチWeb

※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2026年1月号からの転載です。



本好きなら誰もが憧れる、“本の世界を体験できる”小説として大きな話題となり、本屋大賞にもノミネートされた深緑野分さん原作の小説『この本を盗む者は』が、この度待望の映画化。主役の本嫌いの少女・御倉深冬を演じた片岡凜さんと、深冬と共に本の世界を旅する不思議な少女・真白を演じた田牧そらさんにお話をうかがった。


片岡 今回声優のお話をいただき、初めて原作を読んだんです。〈熱した鉄のような太陽〉〈溶かしたバターのようにとろりと黄色い西日〉のような素敵な表現がたくさんあって、ページに付箋を貼りまくりました。私は本を読んでいて好きな表現を見つけると、「逃したくない」と思って全部付箋を貼っちゃうんです。


田牧 ひとつひとつ表現を味わいながら読んだんですね。


片岡 その分、読むのに時間がかかってしまって。ファンタジーなので想像がつかない場面も多いじゃないですか。例えば雲の上に柱があってそこに猫がいるという描写があったら、どんな場所なんだろうといちいち立ち止まって考えてしまうんです。アニメでどう表現されるのか、ワクワクしました。


田牧 私も読みながら、いろんな想像をめぐらせました。「こんな感じ? いや、あんな感じかな?」って考えながら読むのがすごく楽しくて。現実では絶対に見られないようなファンタジー要素がたくさん詰まっていたので、「これがアニメーションになったら、きっときれいだろうな。壮大な景色が広がるんだろうな」と楽しみで仕方がなかったです。


――おふたりは、声優の仕事は初めてです。不安はありませんでしたか?


片岡 私はなかったですね。声優の経験値はゼロなので、得るものしかありません。挑むぞ、という気持ちでした。


田牧 私はめちゃくちゃ緊張してました。大丈夫かなと不安になりつつも、私なりにできることを準備するしかないと思って原作と台本を読み込んで。中でも大きい壁だったのが、アニメは実写と違ってセリフを発するタイミングがはっきり決まっていること。ただ、事前に映像をいただいて練習できたので、とてもありがたかったです。


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