
サンミュージックプロダクションに所属する若手の漫才コンビ・無尽蔵は、ボケの野尻とツッコミのやまぎわがどちらも東大卒という秀才芸人。さまざまな物事の起源や“もしも”の世界を、東大生らしいアカデミックな視点によって誰もが笑えるネタへと昇華させる漫才で、「UNDER5 AWARD 2025」では決勝に進出・「M-1グランプリ」では2024年から2年連続で準々決勝に進出し、次世代ブレイク芸人の1組として注目されている。新宿や高円寺の小劇場を主戦場とする令和の若手芸人は、何を思うのか?“売れる”ことを夢見てがむしゃらに笑いを追求する日々を、この連載「尽き無い思考」で2人が交互に綴っていく。第27回は野尻回。
第27回(野尻)「逆立ちしたってまだ決勝にいけない我々を、なぜM-1グランプリは準々“決勝”まで進ませてくれるのか?」
ご無沙汰しています。無尽蔵の野尻です。ダ・ヴィンチWeb様で再びコラムの執筆をさせていただけることは幸甚の至りに存じます。連載がストップしていた束の間、私は血気盛んなM-1戦士としてルミネtheよしもとなどの戦場を駆け回りましたが、このたび健筆のコラムニストという本来の姿に戻れたことに安心感を覚えます。
さて、8月から始まった「M-1グランプリ2025」はいよいよ佳境へ差し掛かっています。10,000組を超える出場組は何度もふるいにかけられ、わずか31組の準決勝進出者が次の戦いを待っているというのが現在の状況です。残念ながら無尽蔵はそのメンバーに選ばれず、我々の「M-1グランプリ2025」は終了し、私は一介のお笑いファンとして大会の趨勢を腕組みして見守るフェーズに入りました。