
11月26日、角川本社ビルにて、「月イチ立ち読み読書の会」が開催された。
本イベントは、ダ・ヴィンチweb編集部がセレクトした作品を、参加者全員で会場にて「立ち読み」し、感想を語り合う読書会。
今回取り上げられた作品は、朝倉宏景先生の『あの冬の流星』。講談社から11月19日に発売された小説だ。
物語の舞台は北海道旭川。昭和気質な父親・竜司、高校時代から彼を支える母親・詠美、反抗期中の中学生の姉・亜沙美、サッカーに没頭する小学生の弟・竜星の4人家族の佐竹家は、仲良く毎日を送っていた。しかし、ある日、サッカーの試合中にラフプレイを受けた竜星は、背中の痛みで動けなくなる。最初こそ「ただの怪我に違いない」と信じていた両親だが、医師から宣告されたのは「余命半年」というあまりにも残酷な現実。竜星に病気のことを伝えるか否か……突きつけられた問いに対して、家族が衝突しながら出したひとつの「答え」を選ぶ、魂の痛みを丹念に描いた物語だ。
本作の担当編集者である講談社の大曽根幸太さんをゲストに迎え、様々な感想や質問が飛び交ったイベントの模様をレポートする。
開会前。ゆったりとしたBGMが流れる会場の座席を、本を受け取った参加者たちが続々と埋めていく。ひとり参加の方が多いためか、やや緊張した空気が会場にただよっていた。
司会の開会の挨拶のあと、早速40分間の「試し読み読書タイム」へ。思い思いのペースで、それぞれが作品を読み始めた。BGMとページをめくる音だけが響き、会場の緊張感がゆるんでいくのが分かる。その場にいる全員の心が同じ作品に向いている、同じ物語を共有しているという不思議な一体感があった。
あっという間に読書タイムが終わり、物語の続きに後ろ髪を引かれるような気持ちのまま、ゲストの『あの冬の流星』担当編集の大曽根さんへの質問タイムに入った。

まず、司会から「本作の企画が立った背景」について質問。本作は、大曽根さんの提案から生まれたのだという。
「僕は3年前に娘が生まれまして。この子にすくすく育ってほしいと願うと同時に、『この子がこうなってほしくないな』っていうことも思い浮かべてしまうんですよね。ちょうどそのときに、テーマの種になる話をある方から聞かされました。僕が小説に求めるのは、自分が歩んだことがない、でもこれから歩むかもしれないことが知れることでもあったので、朝倉さんに『ちょっとこういうテーマを聞いて、重いんですけど、いかがですか?』と、お聞きしました」(大曽根さん)