
旅先で食べた一皿を思い出すと、その土地の風や音までよみがえることがあります。見た景色、聞いた言葉、漂う音楽ーーそれらが食べ物と溶け合い、心の中でひとつの風景を描き出す。食べることとと旅することのあいだにある、やわらかな時間。そんな「味の記憶」から始まる小さな旅をつづったエッセイです。今回はベルリンでの様子をつづっていきます。
今、私はベルリンにいる。ベルリンマラソンに出るためだ。無事にマラソンを終え、今日は3日目。疲れを癒すべく、一人でベルリンを楽しんでいる。9時くらいに起床。昨晩のマラソンの疲れがまだ残っていて体が痛む。ちょっと寝ぼけながらベッドを出て、ホテルの朝食バイキングを食べた。少し重めのル・クルーゼ的な鋳物の鍋に豆を煮たおかずが入っていたり、ソーセージが入っていた。酸っぱいじゃがいものマリネ的なものもあって、すごく美味しい。
パンは数種類あった。私はハード系のパンや穀物の味がするパンが好みなので、重たそうなライ麦パンを選んだ。熱いコーヒーが美味しい。
チェックアウトして、ここから車で10分ほどのホテルへ移動し、荷物を預ける。今日は一日フリー行動できるので、観光に徹する。私がベルリンに来る少し前に来ていた人におすすめの観光スポットを聞いたところ、ザクセンハウゼン強制収容所が1時間半くらいで行けておすすめと聞いたので、行ってみることにした。
元々、今年の年始の旅行もアウシュヴィッツ強制収容所へ行ってみたくてドイツ旅行を検討していたくらいだったので、収容所という場所に興味があった。
ホテルからは電車とバスを乗り継いで1時間半くらいで収容所に着く。ちなみに、ベルリンの交通機関のチケットは駅かアプリで購入できるのだが、A、B、Cと範囲が分かれていて、自分が移動する範囲分のチケットをアプリで購入する。ただ、購入するだけで、改札もなく、チケットを確認されるのは特急的な列車に乗った時のみだった。これでいいのか?キセルする人とかいないのだろうかと不思議に思ったが、確かフィンランドもこういうチケットの買い方だった気がした。性善説の国なのだろうか。