
社交的なキッチン担当・木暮千景(こぐれちかげ)と、人見知りな接客担当・照巳(てるみ)。正反対な姉弟が営む喫茶店「こかげ」は、大切な誰かを喪った人が行き着く、ちょっと不思議なお店だった。そこにやってきたのは夫を喪った妻、愛猫を亡くした女性……。彼女たちが抱えた喪失感を、ふたりは「弔いごはん」で晴らしていく。
誰かを喪うことと食事をテーマにした漫画『木暮姉弟のとむらい喫茶』(うおやま/新潮社)。著者であるうおやまさんはどんな思いを抱え、作品を紡いでいったのか? 作品制作の裏話を聞いた。
――『木暮姉弟のとむらい喫茶』を描こうと思ったきっかけはなんでしょうか?
うおやまさん(以下、うおやま):死をはじめとした「喪失」の描写は漫画に限らずエンタメ作品で多く取り上げられますが、自分はこれまで扱うことを躊躇してきました。ただ年齢を重ねていく中で身近に別れを意識することも多くなり、自分なりの「喪失」を描いてみたらどのような作品ができるのか挑戦したくなったのがきっかけです。