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2023年に水木しげるの生誕100周年記念作品として公開された、アニメ映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』。第47回日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞するなど話題を集めた本作の舞台化が決定、2026年1月から東京・大阪・佐賀で上演される。今回は鬼太郎の父を演じる鈴木拡樹と、水木を演じる村井良大の対談が実現。本作は2007年のドラマ『風魔の小次郎』から深い縁があるふたりの共演についても注目が集まっている。役と作品への向き合い方から、お互いの変わったところ、変わっていないところまで。ふたりが演じることへの熱意が伝わる対談をお伝えする。


長く愛される『ゲゲゲの鬼太郎』に携わる覚悟



――『ゲゲゲの鬼太郎』はかなり歴史の長い作品ですよね。


鈴木拡樹(以下、鈴木):そうですよね。今回の舞台をやるにあたって少し調べたのですが、初期の作品から考えると、相当な年数愛されている作品ですよね。


村井良大(以下、村井):僕も『墓場鬼太郎』の漫画の1巻を読んだのよ。そしたらかなり映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』と近いんだよね、終わりに墓場も出てくるし。だから「これは鬼太郎ファンの方も喜ぶ作品だな」と感じましたね。その期待を裏切らないものにしなくてはいけないとも思いました。


――映画もご覧になりましたか?


村井:もちろんです。戦争の傷跡があると同時に日本が復興していく、ある意味一番ギラギラしていた時代が舞台で、「立ち上がらなきゃいけない」みたいな勢いがすごく描かれているなと感じました。だからこそ非常に人間の醜さと美しさが同時に描かれているなと。


鈴木:そうそう、原点というか『墓場鬼太郎』に近いもので。心にすごく刺さるし、苦い思いを残してくれるような映画だったよね。それに「なんて舞台に向いているお話なんだろう」と思ったんですよ。


村井:確かに僕もすごく演劇っぽい匂いがするなと思った。セリフ回しとか。


鈴木:そうそう、テンポ感がとても舞台向きなんだと思う。一緒に盃を交わすところだったり、タバコを吸うところだったり、しっかり間を使えるシーンが結構あって。ふたりが無言でいても関係性が見える瞬間があるというか、第三者の視点からふたりが相棒っぽく見える空気感を伝えるために時間が使えるなと思ったんです。


村井:そこは生だからこそ伝えられる部分もあるしね。もちろんアニメ映画だからこそ伝えられるものがある一方で、実際に役者がその場で演じることによってわかるニュアンスもあると思っているので。そこは僕らが役者として作っていければと思いますね。


――普段映画を観るときも「これは舞台に近いな」と思ったりするんですか?


鈴木:僕は結構思っちゃう方ではありますね。「これはすぐには舞台として想像できないな」と思うこともあります。ただそれでも実際に出演しますし、難しいと思ったからこそ「じゃあどうしたらいいかな」と反骨心が湧いてきて楽しくなったりもします。


村井:そうだね、「これ舞台っぽくできるな」という時と「これ舞台は無理だろう。でもやるんだったらどうやるんだろう?」という時と両方あるよね。


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