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不倫された妻が復讐を誓う。このジャンルは、特に珍しいものではない。だが『サレ妻になったので復讐したらママ友の罠でした』(しろみ/KADOKAWA)は、その「お約束」を巧みに裏切ってくる作品だ。本作が描くのは、夫の裏切りそのものよりも、「善意の顔をした他人」がいかに無自覚に、あるいは意図的に人を追い詰めていくかという恐怖である。


「モモコ……旦那さん、不倫してる」ママ友・アヤからの衝撃的なタレコミをきっかけに、専業主婦のモモコは夫・ショウタの裏切りを知る。第二子妊娠中、長男・レンとともに幸せな家庭を築いていると信じていた日常は、一瞬で崩れ落ち、怒りと絶望の中で「復讐」という選択肢にすがろうとする。そんな彼女の背中を押すのが、親身になって相談に乗ってくれるママ友の存在だ。慰めの言葉、的確に思える助言、味方でいてくれるという安心感。しかし読み進めるほどに、その優しさには微妙な違和感が滲み始めて……。


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