
綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件(以下、綾瀬事件)――いまでもこの事件の名前を聞くと戦慄する。1989年11月、埼玉県三郷市に住む17歳の女子高校生を通りすがりの少年グループが強姦目的で連れ去り、足立区綾瀬の仲間の部屋に40日間にわたって監禁。強姦や激しい暴行、ライターで皮膚をあぶる、食事を与えないなどの非道の限りを尽くした挙句に殺害し、遺体をドラム缶でコンクリート詰めにして江東区若洲の空き地に廃棄したという、常人には考えられないような凄惨な事件だ。主犯格Aは当時18歳。準主犯格B(17)、自宅が監禁場所となったC(16)、監視役のD(17)など犯行に関わったメンバーはいずれも18歳以下であり、「史上最悪の少年犯罪」と呼ばれている。
主犯格Aは懲役20年の実刑判決。ほかの少年たちは少年法によって不定期刑となり、事件から30年以上経た現在はいずれも刑期を終えている。果たしてその後の彼らはどのような人生を歩んでいるのか。事件のことをどう考えて生きているのか。新刊『償い 綾瀬女子高校生コンクリート詰め殺人事件 6人の加害少年を追って』(山﨑裕侍/文藝春秋)は、そうした「加害少年たちの今」を追う渾身のノンフィクションだ。