『コーヒーでめぐる世界史』(増田ユリヤ/ポプラ社)第7回【全7回】
コーヒーの進化は、実は戦争の歴史とも深く結びついていた――。元々はイスラム世界の秘薬だったコーヒーは、オスマン帝国の侵攻によってヨーロッパにもたらされ、社交の場「カフェ」を生んだ。美味しいコーヒーを淹れられることが出世につながった時代もあり、さらには、フランス革命はカフェから始まったという説まで。歴史の転換点をたどると、そこには必ずコーヒーの香りが漂っている。身近なコーヒーをきっかけに、歴史上のさまざまな出来事が一本の線として立ち上がる! 入門書にも、学びなおしにもぴったりな一冊『コーヒーでめぐる世界史』をお楽しみください!

戦争終結のかげにコーヒーあり!?
第一次世界大戦も膠着状況が続き、ドイツは劣勢を強いられていました。大戦末期には、地上戦での苦戦を打破するために無制限潜水艦作戦を宣言しました(1917年2月)。指定水路以外を航行する船をすべて無警告で撃沈するというこの作戦は、イギリスの海上封鎖に対して潜水艦で通商を断つことが目的でした。これより前に、イギリスの客船がドイツの潜水艦に撃沈され(1915年)、アメリカ人乗客100人以上が犠牲になったことがありました。これまでアメリカは戦争に不参加の姿勢をとっていましたが、ドイツの作戦を知るとただちに断交し、宣戦布告しました。イギリスはじめ連合国側についたアメリカから大量の物資が投入されたことにより、戦局は一気に連合国に有利に傾いたのです。