
『執着じゃない好きなだけだよ』(もつお/KADOKAWA)は、大学時代の初恋と失恋とその後を、過激な筆致で描き出した恋愛コミックエッセイだ。恋心がいつしか執着へと変わる過程を、主人公・きりこの視点でひりつくほど赤裸々に綴る。
物語は、大学4年生の春に始まる。これまで恋愛と無縁だったきりこは2歳年下のゆうだいと出会い、付き合うようになる。キス、お泊まり、旅行──。すべてが初めてで、心の底から幸せを感じていた。しかし大学卒業を境に状況は一変。きりこが就職し、社会人としての生活が始まると、ゆうだいからの連絡は次第に途絶えがちになり、やがて突然別れを告げられてしまう。
失恋の痛みは徐々にきりこを蝕んでいく。ゆうだいのSNSの裏アカウントを見つけた彼女は、その動向を追うために他人になりすましたアカウントを作り、仕事そっちのけで寝ても覚めても彼の行動を追い続けるようになる。愛ゆえの行動が歪んだ依存へと変容し、結果的により大きな痛みをもたらすことになるのだ。