
理不尽に屈せず、自分の人生を取り戻すことはいかに難儀なことか。『W不倫サレたのに165万請求されました 史上最悪のホラ吹き女』(華子:原作、まゆか!:漫画/KADOKAWA)は、不倫をテーマにしつつ、現代社会に潜む“無敵の人”との戦いを描いた作品だ。
物語は、専業主婦の華子が、居酒屋チェーンの店長をしている夫・昌和と以前アルバイトをしていたナミエがW不倫をしていることを発見したところから始まる。そんな状況でも悪びれることなく浮気を続ける夫、周囲を巻き込みウソだらけの発言で攻撃してくる不倫女。夫の肩を持つ常識外れな義両親も加わり、挙句の果てに華子はなぜか慰謝料165万円を請求されてしまうのだった――。
華子が不倫された側でありながら、不倫した側の悪意によって「加害者」のように扱われるのは衝撃的だ。華子が弁護士を通して内容証明を送りつけても無視され、東京と佐賀で離れているにもかかわらず、ナミエは家に嫌がらせをされたと警察に駆け込む。ナミエは道理の一切通じない、まさに“無敵の人”なのである。この手の人間と向き合うことは容易ではない。華子は徐々に心を侵食されながらボロボロになっていく。