
『ゼロかヒャクかの五十嵐くん』(杏堂まい/KADOKAWA)は、八方美人な性格がコンプレックスのヒロインが、人への感情が「ゼロかヒャクか」しかない同期男子に振り回されるオフィスラブ漫画だ。ページをめくるたび、胸が甘酸っぱく高鳴る。
スポーツ系アパレルメーカーの企画部で働く花森さんは、空気を読んでいつも人に合わせてしまう自分に悩んでいた。対して、生産管理部で働く同期の五十嵐くんは、自分の仕事は完璧にこなす一方で、他人には常に塩対応。自分とは正反対な存在だと遠くに感じていたが、ひょんなことから距離が縮まり、なぜか溺愛全開で好意を向けられることに。100%の愛情表現に振り回されながらも、自分の気持ちを正直に伝える五十嵐くんに感化され、花森さんも自分の正直な気持ちを大切にするようになる。
本作のいちばんの見どころは、五十嵐くんの人となりだ。日頃の冷たい振る舞いとは打って変わって、花森さんにはとことん甘い表情を見せる様子にギャップ萌えが止まらなくなる。エレベーター内で距離を詰めたり、「かわいいなと思って」と照れもせずに伝えたり、飲み会の席のテーブルの下でこっそり花森さんの手に触れたり……。あまりにも真っ直ぐな愛情表現に、読者まで花森さんと同じように言葉を失ってキュンとしてしまうだろう。