
誰でも一度は「理想の恋」というものを頭の中で思い描いたことがあるだろう。ドラマやマンガのようなロマンチックな恋を夢見て、いつか自分にも訪れるかもしれない幸せを想像する。だが『憧れのイケメン先輩が、束縛クズ男に豹変しました』(うみこ/KADOKAWA)は、そんな甘い幻想が一転、恐怖と幻滅へと変わることを赤裸々に描いた物語だ。
主人公のユミは恋愛経験がほとんどない。社内で一目置かれるイケメン先輩・本村に憧れていたが、ある日突然、彼から告白されて交際が始まる。予想外の出来事に夢見心地で恋のスタートを切ったユミだが、幸せは長くは続かなかった。はじめは優しさで包んでくれていた本村の言動は、次第にユミの行動を制限する方向へ変わっていく。本村からの連絡には5分以内に返信せねばならず、男性の友人との交流は一切禁止、そして男性の連絡先は全て消去を強要するなど、常軌を逸した要求が積み重なっていく。