
「家族は守り、守られるもの」。そんな当たり前の価値観が、まったく通じない家庭がある。『モラハラ夫から助けてくれたのは反抗期の息子でした』(リアコミ:原作、はち:漫画/KADOKAWA)は、専業主婦として家庭を支えてきた主人公・翼が、夫の暴言と支配的な態度に耐えながら、やがて自分と息子の尊厳を取り戻していく姿を描いた物語だ。
翼は結婚してからというもの、夫から絶えずモラハラを受け続けている。彼女は「金も稼げねえくせに口答えして生意気なんだよ!」などと繰り返し罵倒され、心をじわじわと蝕まれていく。さらに追い打ちをかけるのは、息子・つかさの反抗期で――。
読み進めるごとに、夫の異常さはますます露わになっていく。金銭管理は彼の独断で育ち盛りの息子がいるのに生活費は3万円に抑えられているため夕食の材料費すらままならない状況。にもかかわらず自分はキャバクラで12万円分豪遊するなどやりたい放題だ。これらの常軌を逸した行動は事の大小の違いはあれ、現実の世界でもよく耳にする話であり、モラハラによって人生そのものが削り取られていく過程がリアリティをもって描かれている。