
夫婦関係のすれ違いは、往々にして「性格の不一致」や「価値観のズレ」で片付けられがちだ。しかし、『もしかして、うちの夫はADHD? ~夫の見てる世界を体験したら、すれ違いが減りました~』(はなゆい:著、司馬理英子(精神科医):監修/オーバーラップ)は、その根本にある「認知の違い」を、当事者の体験として丁寧にひもといていく。
主人公・結衣は、ADHDが疑われる夫との日常で繰り返し訪れる、すれ違いに悩んでいる。何度注意しても片づけをしない、約束を忘れる、予定通りにいかないとパニックになり怒り出す。注意するたびに険悪になり、結衣は「何でわかってくれないのか」と心をすり減らしていく。一方、夫は決して悪意を持って妻と接しているわけではない。妻の誕生日のためにサプライズを考えるなど、家族をないがしろにしているわけではないのに、その行動や思考がなかなか妻に届かないのだ。それどころか、結衣はコミュニケーション不全のせいで孤独感に襲われるカサンドラ症候群になりかけてしまう……。