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「私の料理が今 彼の細胞を育んでいる」クラスの儚げ美少年の身も心も“自分のつくったごはん”で包む

2024年5月21日

  • 琥春くんの細胞を
    『琥春くんの細胞を』(浅葉さつき/白泉社)

     あまりに闇が深すぎて、幸せを願わずにはいられない男子高校生と、彼にとって唯一の癒しで光となる女子高生を描いたマンガ『琥春くんの細胞を』(浅葉さつき/白泉社)。料理が得意で家政科に所属する主人公の都羽(とわ)が、ファミリー向けマンションでなぜか一人暮らししている隣人で、学校中の注目を浴びる美少年・琥春のために、食事をつくることになるという、あらすじだけを聞けば王道の少女マンガなのだが、描かれている内容はなかなかにディープ。


     一見はかなげで天使のような琥春は、自分の見た目がうるわしいことを十分すぎるほど知っており、年上のおねーさんにその身をゆだねて、ごはんをご馳走してもらったりお小遣いをもらったりしている(犯罪!)。その現場を目撃してしまった都羽は、15歳にして生きるために身売りすることを覚えた彼に、ただ安心しておいしいごはんを食べてほしい一心で食事をつくり続ける。

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