
独身獄中記と表題にあるように、私はまごうことなき独身中年男性である。
我々は皆寂しい。孤独で哀しくて、お金があんましない。
つらい現実を忘れるには飲むしかねぇ、それも正体がなくなるまでだ。
それなりの店で飲むと高いですから、安いチェーン店か6畳の城でもっぱら手酌酒。
でもたまにどうしても寂しい夜がある。
ああ誰かと飲みてえぜ。他愛のない話をしながら、ニコニコ楽しく酔っ払いたい。
そんな時は色町に繰り出し、色情に誘われるままネオンに吸い込まれちまえばいいが、残念ながらそう簡単に事は運ばぬ。
前項で述べたように、我々はお金があんましないのだ。
「あんまし」なのでチョットある。
チョットのお金で楽しく飲める素敵なお店──そこでスナックの扉を叩く。
思い返せば学生時代、バイト先の社員殿に連れていかれたのが、私の初陣である。