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夜中に妖怪たちが徘徊する様子を指す“百鬼夜行”という言葉、あなたはどんなイメージを抱くだろうか? 古い絵巻にあるようなおどろおどろしい姿を思い浮かべる人も多いだろうが、『ウチの百鬼夜行』(河口けい/主婦の友社)に登場する物の怪たちを見ると、不思議と心温まる。


陰陽師の兄の家でスタートする、物の怪たちとの共同生活


物語の舞台は陰陽師・吉良晴明(きら はるあき)の屋敷。彼に従う化け狐の式神や、拾われた物の怪たちが暮らしている。そこへ一緒に住むことになったのが、晴明の生き別れの弟・吉良綺羅々(きら きらら)。小学4年生の彼は怖がりで、はじめて見る物の怪たちに戸惑いながらも、風変りな新生活が幕を開ける。


吉良家での生活は、ツッコミどころがとにかく多い。自動車の代わりに物の怪・朧車(おぼろぐるま)で学校へ送ろうとしたり、学校から帰ってくるたび大げさに喜ばれたり、序盤は綺羅々のツッコミが止まらない。そして家主である晴明も晴明で、怖がりな弟のために、物の怪に対するひどい言動が見え隠れする。陰陽師のお札でためらいもせずジュッと焼くことがあるのだ。物の怪に容赦がない晴明の言動に、綺羅々が「人間の方が怖い」と思ってしまうのも納得だ。


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