
気づいたら夢中になってページをめくっていた。好業績が続いていた大企業が発表した、過去最大の赤字決算。経理担当者の自殺。「一体、この会社で何が起きているのか」と、その謎を追うことに必死になり、そうしているうちに、決算書を読む基礎知識が自然と身についていた。数字には苦手意識があったのに、である。
そんな夢のような本が『会計が面白いほどわかるミステリ 決算書に隠された7つの罪』(白井敬祐:著、三ツ矢彰:絵/ KADOKAWA)。「マンガ」→ 「会話」→ 「クイズ(会計ミステリ)」 → 「解説」 の4ステップで、物語のドキドキをそのまま“財務を読む力”に変えるエンタメ学習書だ。「決算書を読めるようになりたい」「営業部員として自社や他社の財務状況を正しく理解できるようになりたい」――会社の経理に関わる者でもそうではなくても、そういう「会計」に興味があるビジネスパーソンにこの本はおすすめ。これほど楽しく、わかりやすい「会計」本は他にはないだろう。
5年連続最高益を更新していたのにもかかわらず、突如巨額赤字へ転落した帝国重工。財務担当の取締役と経理部長は赤字決算発表後に失踪し、東京湾の防波堤では経理部長の「赤字決算の責任を取る」という遺書が見つかった。経理部のファイルにはおかしな帳簿処理がある。営業現場に違和感を覚える営業部員と、失踪した上司を追う経理主任は、会計探偵・くろいの協力を得て、会社の決算書を読み込み、関係先の調査を進めていく。