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『気になってる人が男じゃなかった』(新井すみこ/KADOKAWA)はタイトルの通り、主人公の女子高生が心を奪われたかっこいい「おにーさん」の正体が、実は同じクラスの隣の席に座る「地味な女子」だったという勘違いから始まる物語だ。


イマドキの女子高生・あやは、一見すると派手なギャルだが、実は渋めの洋楽を愛する音楽好きで、行きつけのCDショップのスタッフである「おにーさん」と会うのも密かな楽しみにしていた。ある日、ヘッドホンに絡まった髪を優しく解いてもらったことで、「彼」への想いは一気に加速。しかしその正体は、実は同じクラスの女子・みつきだったことがわかる。彼女は学校では眼鏡をかけ、地味で目立たない存在だったためにそのギャップに驚くあやだったが、それがふたりの運命的な出会いとなる。


本作の核となっているのは、ふたりを結びつける「音楽」の存在だ。あやとみつきはともに洋楽ロックを愛し、趣味を分かち合うことで自然と心の距離を縮めていく。そのやり取りはどこか懐かしさを感じて胸の奥がくすぐられるだろう。そんな出会いをしたふたりは当初、普通の友達として過ごしていたのだが、一緒にいる時間を重ねていくうちに互いの存在は特別なものとなっていく。


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