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『33歳という日々 独身彼なし、このみの場合』(鈴木みろ/KADOKAWA)は、ひとりの女性の日常を通して、揺れ動く心の内を丁寧に追った作品である。


ネイルサロンで雇われ店長として働く33歳のこのみは、結婚願望はあるものの、彼氏はもう5年ほどいない。仕事に大きな不満があるわけではないが、忙しさの合間や夜ひとりになったとき、ふいに孤独が顔を出す。「いつかは結婚してお母さんになる」という、子どもの頃から当たり前のように思い描いていた未来が、気づけば指の間からこぼれ落ちそうになっている。


年齢を重ねるにつれ、周囲の何気ない言葉や視線にも敏感になりながら、彼女は自分のこれからを静かに見つめ続ける。本作は、そんなこのみの心の機微を、日々の細かな場面を通して自然に映し出している。


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