
なんとなく誰かと話したいな、という気分のときがある。別にかしこまった話じゃなくていい、昨日食べたコンビニスイーツが美味しかった、みたいな適当な話だ。そんなとき、学生時代は何も考えず、隣で授業を受けている友達を誘ってファミレスに行ったりしていた。でも社会人になってからは、友達を誘うにもお互いの休日の予定をすり合わせて、ずっと先の約束をするのが当たり前になってしまって、気がつけば「適当な話をダラダラとする」ことのハードルがぐんと上がってしまった。それがたまに寂しくなる。
そんな寂しさを抱えながら手に取った、久保ミツロウ氏、能町みね子氏、ヒャダイン氏の3人の鼎談をまとめた『かわいい中年』(中央公論新社)には、そんな自分の「無軌道に友達と、その瞬間に話したいことを話す」という求めていた光景があった。