
家庭という密室の中で、信じていた親が裏切りを重ねていたら……。『お父さんの不倫、気づいてないとでも思ってる?』(山田ぽむち:漫画、リアコミ:原作/KADOKAWA)は、そんな重く苦しいテーマを、高校生の娘・サクラの視点から描いた物語だ。
物語の舞台は一見どこにでもある家庭。しかしその実態は、塾講師の父による支配的な空気に満ちていた。母が服を買えば「稼いでないくせに無駄遣いするな」と心ない言葉を浴びせるモラハラ気質の父。そんな父がスマホを手放さない様子を不審に思ったサクラは、財布からホテルのカードを見つけたことで彼が不倫していることを確信する。
さらにサクラが見たのは、不倫相手の女性が、父と同じ腕時計や車、ネクタイがさりげなく映り込んだ写真をSNSにアップする「匂わせ投稿」の数々だ。そればかりか、暗喩的にサクラという自分の名前が書かれてもいて背筋を凍らせる。そんなひとつひとつが決定的な証拠となっていき、彼女の胸を締め付けていく。