
漫画家・イラストレーターとして活躍する雪のヤドカリさん(@yukinohotel)が描く『文学的なオチが癖になる 雪のヤドカリ4コマ劇場』は、意外なオチと独特の読後感が楽しめる4コマ漫画だ。さまざまなモチーフを題材にしたエピソードが数多く並び、そのなかには有名な事件の真相(?)に迫った作品も…。
物語は、病床に伏したおじいちゃんが孫のタカシに「ワシの財産をすべて相続してほしいと思っておる」と語りかける場面からスタートする。そうして手渡された通帳には、なんと3億円の預金残高が。さらに「車庫にもタカシに渡したいものがある」と案内された先には、若い頃愛用していたという“白バイ風のバイクとヘルメット”が置かれていた。
どういうわけかおじいちゃんが譲ろうとする品々は、かの有名な「3億円事件」を強く想起させるものばかり。あれこれ想像せずにはいられない状況に、思わずタカシは「あの3億円大丈夫なやつだよね!?」とツッコミを入れるのだった。
同作には、こうしたブラックユーモアを効かせたエピソードも数多く収められている。いずれもフィクションではあるが、どこか現実と地続きの匂いをまとっている点が興味深い。「ありそう」と「ありえない」のあいだを巧みにすくい上げる構成が、独特の読後感を生み出しているのかもしれない。
文=ハララ書房