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『失踪した不倫夫がホストに転職してた…』(乙葉一華:漫画、サレ妻幸:原案/KADOKAWA)は、不倫、失踪、発見、再失踪という、怒涛の展開全部のせのような内容で、ページをめくる手が止まらなくなるコミックエッセイだ。


主人公・幸は、真面目で優しく、周りからも評判のよい教師の夫・秀夫とひとり娘のちひろと幸せに暮らしていた。しかし、秀夫はだんだん休日に出かけることが多くなり、そして不倫が発覚。問い詰めると態度が豹変し、家族の全財産が入った通帳を持って失踪してしまう。手がかりもなく途方に暮れる幸のもとに、ある日、夫にそっくりな人を見つけたと友人から知らせが入る。なんと夫はホストクラブで働いていたのだった。幸は夫と離婚し、養育費を払わせるために行動に出るのだが――。


まず、教師からホストに転身するクズ夫の衝撃は、ほのぼのとした日常から一気に非日常へと引きずり込む強烈なツカミとして機能している。さらに、生活費や養育費の支払いを請求しようと証拠を集めたり、不倫相手の名前でライブ配信にコメントしたりと、必死に現実を打開しようとする幸と、ヘラヘラした態度で開き直り、逃げ続ける夫のコントラストが巧妙だ。読み手はいつの間にか幸に感情移入し、怒りや失望、何を言っても通じない人物への諦めのような複雑な感情を抱くだろう。


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